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Yuya Koike

【コラム】2025年の答え合わせ 「20年前の若者は未来に何を思ったか」

 今から23年前の2002年、当時の社会情勢を踏まえ厚生労働省の若手職員ワーキングチームが作成した「2025年の日本の姿」という報告書があります。政府の公式資料ではありませんが、当時の若者が想像した2025年の社会について、小池なりの答え合わせを行いました。





23年前に想像した未来が今どうなっているか。


 本報告書では、2002年当時の状況と2025年の理想の姿が「社会経済」「価値観・ライフスタイル」「社会保障全般」子育て支援」「雇用管理・働き方」「教育」「住環境」の8つの区分で描かれています。そして、35項目の理想の姿が定義されており、今回小池の主観で状況評価を行いました。結果、「概ね理想の姿になっている」と評価したのは12項目、「一部のみ実現・判断できない」が14項目、「理想とかけ離れている」が9項目となりました。


 20年前に想定した2025年の理想の姿に近い形となったのは、「児童福祉と子育て支援」「雇用管理と働き方」の2区分。子育て世帯への社会保障拡充や保育環境整備や育児期間中の働き方改革は概ね20年前の要望通りとなっており、子育て政策が大きく進捗したといえます。一方、「理想とかけ離れている」と評価した9項目については、社会経済的な要素が大きく、超少子高齢社会がもたらす社会保障制度瓦解に対する不安感が読み取れ、20年間状況が変わっていないことが浮き彫りになりました。

2025年の日本の姿検証表
「2025年の日本の姿」小池独自の検証表

検証を通じて分かったこと・これからすべきこと。


 今回検証するにあたって、この20年間の国の施策を振り返りましたが少子化対策に関わる子育て環境改善・働き方改革に想像以上に注力してきたことを実感しました。問題なのは成果が全く数字に現れる「気配もない」ことです。理由は、これまでの少子化対策は出産を「間接的」に支援するものばかりだからと想定されます。保育環境の整備は出産後の支援であり、ゆとりある働き方の推進も出産のきっかけをつくる仕掛けでしかありません。私の実体験を基にするならば子どもは「産む」のではなく「生まれてくる」ものであり欲しくてもできない方にこそ「直接的」に支援を行うべきではないかと考えます。


生殖補助医療による出生児数の推移
生殖補助医療による出生児数の推移                       出典:厚生労働省「不妊治療を受けながら働き続けられる職場づくりのためのマニュアル」

 例えば不妊治療では保険適用の効果もあり、2022年の件数は54万3千件にのぼりました。しかし、治療が長期化し、経済的にあきらめざるを得ないケースもあり全出生児に占める生殖補助医療による出生児数は10%にも満たない状況です。長期的な視点で社会保障の安定化を図り現役世代の負担軽減を図るためには、やはり出生数の増加が必要であり、子どもを本当に欲しいと願う方へ直接支援を拡充すべきと考えます。

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